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さて、本題。

「新型コロナウィルスの影響で、宴会のキャンセル、そもそも宴会の予約が入らない。」

多くの飲食店経営者から、そんなつらい状況をお話いただきます。

ここまで宴会キャンセルが多いと、

「正直、普段は頂いていなくても、宴会のキャンセル料を頂きたい」

と思う人も少なくないでしょう。

そこで、今日は、宴会のキャンセルに対する損害賠償の考え方の話をします。

今日の話は、2018年11月1日付けの『No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート』(サービス産業の高付加価値化に向けた外部環境整備等に関する有識者勉強会)という経済産業省から出ているレポートが情報元です。

No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポートが発表!(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2018/11/20181101002/20181101002.html

結論から言うと、予約方法に関わらず、予約の内容が確定していれば契約は成立し、No show等の一方的なキャンセルについては、損害賠償を求める事が可能。また連絡がある事前予約に関しては、損害があったかどうかによって損害賠償が可能になる場合がある、ということです。ただし、どちらも、キャンセル料に当たっては、発生した損害額の算定や、適切なキャンセルポリシーが必要です。

では、ポイントをまとめます。詳細は、上記レポートをご覧ください。

キャンセルの損害賠償の考え方

  • 予約内容が確定していれば、いかなる予約方法でも予約完了で契約が成立し、一方的なキャンセルに対しては、債務不履行による損害賠償が請求できる。(コース予約)
  • 予約(契約)の内容が確定していない場合でも、一方的な「キャンセル」に対しては、不法行為に基づく損害賠償を請求できる。(席のみ予約)
  • 事前キャンセルであっても、それによって顧客側が飲食店に何らかの損害を与えたのであれば、債務不履行や不法行為に該当する可能性がある。その場合、飲食店が顧客に対して損害賠償を請求することが可能と考えられる。ただし、発生するキャンセルの状況によって損害賠償の算定基準が異なる。

No showにおけるキャンセルの考え方

コース予約の場合

コース料金が予約内容になっている場合、発生した損害を別の顧客に再販することは難しいので、損害賠償は全額になることがある。その場合は、キャンセルポリシーに基づき、全額のキャンセル料を請求することができる場合がある。

ただし、転用可能な飲食物の代金(飲み物代等)、転用可能な人件費は除く必要があるので、消費者契約法等の関連法に則り、損害額を算定することが必要。

席のみ予約の場合

平均的な食材、人件費、サービスの準備が発生するので、実際に発生しうる損害に対する賠償ができる。例えば、以下の項目。

  • 原材料費(転用可能な飲食料を除く)
  • 食材廃棄費
  • 人件費

等。客観的基準により算定した平均客単価の何割(平均客単価から転用可能な原材料費・人件費等を除いた額)かが、損害賠償額の一つの目安となります。

また、このような記載もあります。「飲食店は予約客に対し、平均客単価や損害賠償額の算定方法を事前に示す必要がある。また、損害賠償額の算定方法については飲食店からしっかりと説明できるように準備すべきである。」つまり、キャンセルポリシーのことですね。

まとめ

  • 予約のキャンセルによって飲食店が損害を受けたのであれば、損害賠償は可能。ただし、キャンセルポリシーの周知が必要。
  • 損賠賠償額には、明確な根拠が必要。特に、キャンセルしたお客様以外に転用できる費用、例えば、飲み放題のドリンク代などは、損害賠償にはならない。

ということで、まずは、「キャンセルポリシーがあるか」、「きちんと周知しているか」から始めることが大切です。また、正当な根拠があっても、一般消費者から見て過度な損害賠償は、ネットで炎上することも考えられます。

当然ですが、損害賠償に関しては、慎重に行うこと、そして、慣れていないのであれば、専門家に相談しながら対応することをおすすめします。

笠岡@飲食店繁盛会

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投稿者プロフィール

笠岡はじめ
笠岡はじめ飲食店コンサルタント/販売促進士
飲食とITの専門家。1,000件以上の飲食店コンサルティング実績から再現性のあるノウハウを体系化し、全国の飲食店の売上と利益を上げている。また、中国や台湾、UAE等の飲食店のコンサルティングやプロジェクトを手掛けている。著書に「MSP繁盛プログラム〜どの飲食店でも最短で確実に売り上げを上げる方法」(販売促進士日本フードアドバイザー協会ブックス)、「売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP社)、「繁盛飲食店にする1分間セミナー」 (同文館出版)等。「売れまくるメニューブックの作り方」は、台湾と中国でも出版されている。一般社団法人販売促進士日本フードアドバイザー協会代表理事。株式会社 飲食店繁盛会代表取締役。三商餐飲顧問股份有限公司董事。

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