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業態転換して売上220%、客単価127%
商業施設内居酒屋業態の業態転換事例

今月は、ビストロ業態から居酒屋業態に業態転換した事例を共有します。

立地は、駅直結の商業施設のフードフロア。席数は34席、客単価はランチとディナー合わせて1,810円。ランチが500円〜600円。夜が3000円〜4000円。

ビフォーの業態は宮崎の食材を使ったビストロ。地頭鶏の炭火焼やアヒージョ、カプレーゼ、レバーパテ等の洋系の料理とワインを楽しむお店です。

このビストロ業態は、開店直後は売上が好調でしたが、年月が経つにつれて売上が減少し、昨年後半に業態転換のサポートを依頼いただきました。サポート内容は、新しい業態の構築から商品構成の提案、メニューブックや販促ツールのデザインまでトータルで行いました。

業態転換の結果、売上はリニューアル前の月平均に比べて約220%(昨年比192%)に向上、客単価は27%増加。ランチの客単価も500円から900円へ引き上げたにも関わらず、客数は2倍に増加という結果となりました。

課題の絞り込み

まず、ビフォー業態の課題を絞り込みました。現場の確認とヒアリングにより、以下の3つの優先的に改善すべき課題を特定しました。

1.コンセプトがブレてしまった

オープン当初は宮崎食材中心のビストロというコンセプトの軸がありましたが、キッチン視点でメニュー改善を重ねた結果、徐々に宮崎料理が減少して、当初のコンセプトの軸が無くなってしまいました。

2.魅力のないメニュー構成

キッチンの視点でオペレーションを重視したメニュー構成は、お客様にとって魅力がないメニュー構成になっていました。その結果、食事が不要な2次会使いの遅い時間に席が空いているから来店したというお客様層が一番多くなってしまいました。

3.何屋さんか分からない

コンセプトのブレにより、業態がわかりにくくなってしまい、通りすがりのお客様や商業施設内を回遊するお客様に、パッと見て何屋さんか、つまり、業態認識をしてもらえなくなっていました。

業態転換の方針

業態転換の方向性は、和の宮崎料理の居酒屋です。これは、クライアントからの要望でした。そのため、和の宮崎料理の居酒屋であることが明確に伝わるように、以下の3つの方針を立てました。

1.生産者の顔が見える宮崎素材と宮崎郷土料理の店

2.宮崎っぽいオリジナルサワーが飲める

3.幅広い利用動機に対応した使い勝手の良い店

1番目の理由は、本社が宮崎にあるという強みを活かすため。

2番目の理由は、ソムリエがいる店だったため、その強みを活かすため、そして、ドリンクでも宮崎コンセプトを表現するため。

3番目の理由は、席を埋めるための保険です。席が埋まるようになったら、最もコンセプトに近く、利益を最大化できる利用動機に絞る予定です。

このように、強みを生かし差別化を図ることに常に意識を向けています。

具体的な改善事項

①看板商品の開発

例えば、地頭鶏(じとっこ)の炭火焼も、通常は地頭鶏は、歯ごたえがあり、固めの鶏肉なのですが、あえて柔らかくてジューシーな地頭鶏を見つけて、他店とは違う地頭鶏の炭火焼に仕上げました。

②各商品の意味と役割を明確にした商品構成

宮崎の伝統料理について調査を行い、他県の方々が食べたいと思う宮崎料理を中心に商品構成を設計しました。

そこに居酒屋の定番料理を追加し、さらに、各商品に対して、女性が好む商品やボリュームのある商品、つまみや前菜として使える商品、コンセプトに沿った商品など、それぞれの商品の意義と役割を明確にして商品のバランス調整を行い、幅広い顧客層をターゲットに合う商品構成を綿密に設計しました。

③ファサードの改善と店内販促

ファサードの改善は、商業施設の入口と商業施設を回遊するお客様に見やすい位置に、①業態認知用ポスター、②季節や時間帯に合わせた集客用ポスター2種類で訴求することにしました。また、店の作り(というか商業施設の導線設計)から、店内販促も同じ方針で行いました。

もちろん、他の改善や販売促進も行いましたが、冒頭の通り、売上が2.2倍となりました。おそらく、スタッフのスキルが上がるにつれて、あと1割くらい売上は上がると推測しています。

いかがでしょうか?

私のコンサルティングは、基本的に、コンセプトの見直し、商品開発とメニューリニューアル、ファサードの見直し、そして販売促進という形で進めていきます。

今回お伝えした事例がお店の参考になれば幸いです。

また、私のコンサルティング手法は、下記書籍にもまとめてありますので、興味がございましたらご覧ください。(了)

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