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本動画・テキストの内容は、実際のコンサルタント事例ですが、店名や動画内の画像・動画は実際のものとは異なります。飲食店繁盛会の会員限定で、実際のお店でのメニューブックや販促ツール、その他、詳細に解説しています。興味がございましたら、飲食店繁盛会の会員サポートページをご覧ください。

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【飲食店コンサルティング事例】最高3倍超えの売上を達成して繁盛店の地位を確立!商業施設に出店したカフェが勝つために何をどう考えて出店したのか?

今回は、商業施設に出店を決めた地方都市のカフェが、出店の戦略として、どう考えて、何を行ったのかを事例で共有します。

このカフェは、中長期戦略のためにブランディングを刷新して売上を順調に伸ばしてきました。その結果、集客力のある商業施設から出店してもらえないか?と声がかかったのです。

商業施設への出店は初めての試みだったのですが、商業施設の集客力を最大限に活かすため、強みと弱みを徹底的に分析し、ターゲット層に合わせたメニュー開発やお客様の導線に合わせた店舗デザインを行った結果、既存店の売上の2.5倍を超える繁盛店になりました。

商業施設出店のメリット・デメリット

商業施設出店のメリットは、なんといっても商業施設の集客力です。そして、商業施設には次の特徴があります。ひとつめは、すでに出店している競合店が明確で、競合店の主要データも商業施設から提供されること。

ふたつめは、商業施設に来店する顧客層のデータも施設側からかなり正確なものを提供されること。3つめは、商業施設内のお客様の導線も事前にわかることです。

一方で、商業施設のデメリットは、いろいろと施設の制約が多いこと、営業時間の変更や店休を自由にできないこと、そして、商業施設自体の集客にお店の売上も依存してしまうことです。

商業施設内のお店は、商業施設の外から自力で集客することが、ほとんどの場合とても難しいのです。

強みと弱みの棚卸と徹底した競合分析

まず、商業施設内には数多くの飲食店が出店しているため、自社の強みや弱みの分析をすると同時に競合分析を徹底的に行い、自社の強みを活かした施設内競合との差別化戦略を打ち出しました。

40年以上の歴史を持つ老舗カフェとしての地元のブランド力、年間130種類以上のパフェの投入といった他店にはできない強み。そして、競合分析として、施設内の飲食店すべてを確認し比較しました。

わかったことは、カフェは数店舗あるものの、真正面から競合になるお店は少なく、洋食業態の1店舗が、食事需要で競合になることが分かりました。そのお店は、私たちのカフェの食事メニューをほとんど持っているだけでなく、施設内でもトップレベルの売上を上げていたのです。

強みを生かした差別化戦略

そこで、具体的な差別化戦略として以下の方針を立てました。

(1)地元密着型ブランドの訴求

施設内では新参者ですが、40年の歴史を持つ地元密着型のブランドであることを強調、地域住民に愛されている地元の老舗であるというイメージをいろんなところで訴求しました。

(2)導線と時間帯に合わせた利用動機訴求

商業施設の導線と時間帯に合わせて、カフェの利用動機、食事の利用動機に対応した看板やポスターでの今すぐ客用に訴求できるようなファサード設計をしました。

(3)誰が見てもすぐに業態認知できるファサード設計

小さなお子様を連れている慌ただしいお母さんでもお子様でも食品サンプルの有効活用等で、ぱっと見て「この店が何屋さんで、どんな商品があるか」がわかるファサードデザインにしました。

(4)居心地の良い空間の提供

広々としたテーブル席や、くつろげるソファー席などを設け、長時間滞在できるような居心地の良い空間を提供しました。これは、カフェ利用ができる他の飲食店に、長居できそうなお店がなかったためです。差別化として意識的に行いました。

(5)オムライスの一点突破

先ほど話した通り、一番の競合店は、施設内でもトップクラスの売上の洋食店でした。食事メインのお店ではない、私たちのカフェは、正面から料理を競っても勝てないことが分かりました。

そこで、「その競合店の看板商品の1つであるオムライスだけは負けない」という戦略をとりました。オムライス一点突破戦略です。

もちろん、年間130種類以上のパフェという豊富なメニュー展開は、他のカフェとの差別化となるので引き続き力をいれています。

移転リニューアルの結果、最高3倍を超える売上に

このカフェは、もともと町中にあったお店ですが、40年という長い年月で店の老朽化もあり、商業施設に移転してリニューアルオープンするという形を取りました。

その結果、移転前に比べて、平均して2.5倍ほどの売上となり、最高で3倍を超える売上を叩き出し、繁盛店の地位を確立したのです。

競合店の差別化を考えるときに重要なこと

さて、最後に、競合店との差別化を考えるときに重要なことをお話しします。競合対策で大切なこと、それは、競合店と比べて、一ヶ所でもバツをもらわないことです。

例えば、料理、サービス、店の雰囲気というQSCの基本がある場合、競合店にすべてを勝つことを考えるよりも、最低レベルが競合店と同等程度にすることが大切です。

最低レベルを競合店のレベルに引き上げた上で、強みをさらに伸ばし、強みをお客様に伝え、体験してもらうのです。

今回は、オムライスが、食事でバツをもらわないための対策でしたが、結果的には、この新しいオムライスが、集客商品となり、売上にかなり貢献する結果となりました。

いかがでしょうか?商業施設への出店のオファーは大変魅力的です。

しかし、お店を作るのに、路面店の1.5倍以上費用がかかることが多いこと、商業施設の制約が多く、身動きが取れなくなる可能性があること、休みが取れず、人員を確保する必要があること、そして、何よりも、商業施設自体が集客できない場合、個店では、できる対策が少ないことを目の当たりにしています。

一方で、今回のような、爆発的な成功事例もたくさんあります。ぜひ、商業施設出店の際には、今回の事例を参考にいろいろ準備して出店してください。

本動画・テキストの内容は、実際のコンサルタント事例ですが、店名や動画内の画像・動画は実際のものとは異なります。飲食店繁盛会の会員限定で、実際のお店でのメニューブックや販促ツール、その他、詳細に解説しています。興味がございましたら、飲食店繁盛会の会員サポートページをご覧ください。

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投稿者プロフィール

笠岡はじめ
笠岡はじめ飲食店コンサルタント/販売促進士
飲食とITの専門家。1,000件以上の飲食店コンサルティング実績から再現性のあるノウハウを体系化し、全国の飲食店の売上と利益を上げている。また、中国や台湾、UAE等の飲食店のコンサルティングやプロジェクトを手掛けている。著書に「MSP繁盛プログラム〜どの飲食店でも最短で確実に売り上げを上げる方法」(販売促進士日本フードアドバイザー協会ブックス)、「売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP社)、「繁盛飲食店にする1分間セミナー」 (同文館出版)等。「売れまくるメニューブックの作り方」は、台湾と中国でも出版されている。一般社団法人販売促進士日本フードアドバイザー協会代表理事。株式会社 飲食店繁盛会代表取締役。三商餐飲顧問股份有限公司董事。

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