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リニューアルオープンして目標売上126%達成!リニューアル前の売上対比最高240%

生活道路ロードサイドラーメン店の業態開発事例

今回は、新規開業・業態開発のコンサルティング事例を紹介します。リニューアルオープンして目標売上の126%、リニューアル前の売上に比べて240%の売上を達成したロードサイドのラーメン店です。

このプロジェクトは、もともと自社の既存ブランドのラーメン店を新しいブランドのラーメン店として業態開発しました。立地は地方都市の生活道路のロードサイド。席数は、ビフォーは43席でしたが、アフターは31席になりました。実は個室があったのですが、人手不足とオペレーション上の問題で、その個室を使用しないことにしたため席数が減りました。

客単価は、ビフォーもアフターも900円後半〜1000円強。アフターのラーメン業態は、ビフォー業態よりもラーメンの単価を低く設定して、価格でも勝負できるように設計した業態にしたのですが、結果的にビフォーと同じくらいの客単価になっております。

まずは他店にはない強みを洗い出したら「うどん」だった

最初にSWOT(スウォット)分析です。SWOT分析とは、強み、弱み、機会、脅威を分析するものです。今回は、特に強みと弱みを分析しました。

主な強みは、他のラーメン店にはない、うどん店を持っていること。したがって、うどん店のノウハウや技術、出汁などがあります。次に、そのうどん店は、創業50年を超える老舗だということ。これもほとんどのお店が真似できない強みです。最後に、セントラルキッチンを持っていて、麺などを自社製造していること。

一方、主な弱みは、ラーメン店をドミナントで多店舗展開しているため、自社内で競合しているお店があること。複数のブランドを展開しているものの、ブランド間の特徴や差別化が不十分であること。価値訴求ができていないため、価格や利便性のみで選択されがちであることです。

お店のブランドは数種類あり、特に中華ラーメン業態のブランド間で差別化が少ないのが課題で、名前は違うものの、お客様から「あそこのグループだね」と見抜かれてしまいます。

コンセプトは老舗うどん店が作った本気のラーメン!

そして、コンセプトメイクです。基本的に、お店をブラッシュアップしたり、新しい業態を作る時は、弱みを解消し、強みを活かすことを最初に考えます。そのためにSWOT分析をします。今回のお店のコンセプトは、老舗うどん店の強みを活かして「老舗うどん店が作った本気のラーメン屋」という方向でコンセプトを詰めていきました。

コンセプトメイク〜コンセプトの方向性〜

  • 老舗うどん店が作った本気のラーメン。うどんの命「麺と出汁」にこだわる
  • 麺は自家製麺。手もみするので縮れ麺となり、スープにも絡む
  • 麺を美味しく食べることを追求したら、次の2つの食べ方になった
  1. 釜玉まぜそば。釜玉うどんの食べ方で麺の美味しさを楽しむ
  2. うどんの出汁から開発した和だしスープのラーメンの鳥中華

ちなみに鳥中華とは、山形県のB級グルメです。とあるそば屋さんが、そばのだしを使ったラーメンをまかないにしていました。近くの旅館の中居さんが、「私もそのまかないを食べさせて」とお願いして食べさせてもらったところ、とても美味しかったので、その仲居さんが口コミして広まって山形県のB級グルメになったそうです。なので、鳥中華のストーリーは、そば屋なのですが、我々は、うどん屋として参考しました。

業態設計は7つの項目を具体化する

そして業態設計です。業態設計は、私の場合、業態を7つに分けてひとつひとつ具体化して設計します。

まず、①料理、②サービス、③店の雰囲気、これはQSCAですね。飲食店の基本です。

そして、④魅力と差別化は何なのか?これらは、お客様に分かるようになっているのか?

あと、⑤選ばれる理由。他にもたくさんのお店があるのに選ばれる理由は何なんだろうか?それと⑥来店する理由と⑦リピートする理由。これらを下記のようにしました。

①料理
釜玉まぜそば(汁なし/こってり系)とトロ豚和だしラーメン(あっさり系)を2大名物に。最終的に名物を鳥中華からトロ豚和だしラーメンにした。

②サービス
フルサービス主体、モバイルオーダー導入予定。

③店の雰囲気
和の内装、うどん店をイメージ。

④魅力と差別化
老舗うどん屋が本気で作るラーメン。麺は、自家製ちぢれ麺使用。出汁は、老舗うどん店の出汁。そして、自家製の大きいトロトロのチャーシュー。

⑤選ばれる理由

⑥来店する理由
釜玉まぜそばは1杯で4つの味を楽しめる。トロ豚和だしラーメンは、トロトロの大きい自家製チャーシューと老舗うどん屋の和だしスープでわさびで味変できる。力うどんではなく、力ラーメン。餅が合う、と言った、一度食べて見ようと思ってもらうストーリー。さらに、価格訴求(釜玉まぜそば550円)できる商品設計。

⑦リピートする理由
釜玉まぜそばの味のバリエーション、季節のラーメン、LINE販促

結果はリニューアル前対比売上240%をマーク!

このようなコンセプトで今年開業したのですが、地元のお客様に好評で、結果は、リニューアル前の売上対比で約240%をマーク。オープン景気終了後もリニューアル前対比で売上が約190%となりました。

また、今回の新業態での目標売上に対しても126%を達成。客単価は、950円〜1000円で原価率も開業計画の31%で目標通りとなっています。今後は、オペレーションも慣れてきたので、季節の販促として冷やし麺開発するなど、次の仕掛けを初めたところです。今後の展開が楽しみです。

いかがでしょうか?新しい業態を作るときも、既存のお店の業態をブラッシュアップするときも、私は、強みを活かして、弱みを解消する方法を一番に考えます。あなたのお店でも、改めて強みは何なのか?その強みを活かすにはどうしたらよいか?を考えてみてはいかがでしょうか。

そして、強みを活かしながら、業態設計で説明した7つの項目を一つ一つ具体的に考えてみると、あなたのお店の業態もブラッシュアップできるかと思います。

最後に、もし、自分のお店の方向性でなやんでいらっしゃいましたら、無料相談もありますので、お気軽にご連絡ください(了)

投稿者プロフィール

笠岡はじめ
笠岡はじめ飲食店コンサルタント/販売促進士
飲食とITの専門家。1,000件以上の飲食店コンサルティング実績から再現性のあるノウハウを体系化し、全国の飲食店の売上と利益を上げている。また、中国や台湾、UAE等の飲食店のコンサルティングやプロジェクトを手掛けている。著書に「MSP繁盛プログラム〜どの飲食店でも最短で確実に売り上げを上げる方法」(販売促進士日本フードアドバイザー協会ブックス)、「売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP社)、「繁盛飲食店にする1分間セミナー」 (同文館出版)等。「売れまくるメニューブックの作り方」は、台湾と中国でも出版されている。一般社団法人販売促進士日本フードアドバイザー協会代表理事。株式会社 飲食店繁盛会代表取締役。三商餐飲顧問股份有限公司董事。

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