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外食業界では人手不足が続くが、マクドナルドは、高い賃金で引き付けているわけではないという。
では、何で惹きつけているかというと、アルバイト等、働き手が成長を実感できる研修プログラムが充実していることである、とのことで、同社の研修を箇条書きでまとめてみた。
(参考記事:日経MJ 3/13『マック成長導く5000人「ミニ経営者」 パート・バイトから毎年 39カ月連続既存店売上高プラス 商品や収支責任 看板背負う覚悟養う』を要約)
- マニュアル(のようなもの)は、心構えや作業内容など詳細に書き込まれた冊子がある。しかし、マニュアルを覚え込むのではなく、どの項目もクルー自身に考えさせる内容。例えば、「ハンバーガーの包みが雑ならお客様はどう思うか」等、常に顧客視点。また、バーガーの作り方やPOSレジの使い方はタブレットでゲーム形式。
- ハンバーガーの組み立てや包装紙に包むことを厨房で教育する場合は、当然、うまく包めないと店長からやり直しを命じられるが、うまくできると「きれいにできましたね!」と褒める行為が浸透。褒められているうちに楽しくなる仕組み。マクドナルドには褒め合う文化があるらしい。
- 新人には、30日をメドに慣れたか、溶け込めたか確認。1人にしない、褒め合うことがクルーのやる気につながる。
- マクドナルドでは、パート・アルバイトから店長までの道のりが明確。責任を持つ立場になるには、社員になる必要がある。目標ができると、上の職位を目指そうという気になる仕組み。その道のりがこの図。
- 同社の研修内容は、グループで考えてホワイトボードに書き出したり、ロールプレーで学ぶなど考えさせる、やらせてみる形。例えば「マネージャーにされたいこととされたくないこと」を書き出して掲出し、自分の理想のマネージャー像を自分で考えながら明確にしていく等。
- 実務面は「クレーム電話の受け方」や「新人クルーの指導法」などの3人一組のロールプレー。指導する前に、しっかり観察して、足りないものは、作業知識なのか、人手なのか、モチベーションなのか等を常に考える習慣をつける。
- マクドナルド式のリーダーとしての自覚を促す3つのキーワード。
- 「BE HERE NOW」その場に集中しようという意味。例えば、新人クルーから話しかけられたら作業を止めて耳を傾ける。
- 「リーダーの影」後輩は自分の姿を真似することを自覚する。
- 「ASSUME INNOCENCE」相手に悪意がないことを前提に考える思考。クルー相手だけでなく、顧客からのクレーム対応でも重要とする。
- 研修では常に自分なりの答えを出すことが求めるが、出てきた答えは否定しない。「すべての答えは正解につながっている」という前提で指導する。
- これらの研修内容が「就職活動にも役立つ内容」と自分自信のブラッシュアップにつながることもアルバイトとして働く動機になっている。
- また、これらの研修で、「マクドナルドが好きでもっと上を目指したい。様々な人と話せ、社会でも通じることを学んだ」と社員を目指すアルバイトもいるという。
ポイントは、顧客視点で考えさせる、楽しく覚えさせる、実際にやらせる、そして、できたら褒める。店長までの道のりが明確で、どうチャレンジしたらよいかがわかる。自分で考えさせて自分で答えを出させる。
これは、飲食でなくても使えます。私も勉強になりました。あなたのお店でも何か取り入れられるのでは?
株式会社飲食店繁盛会
代表取締役 笠岡はじめ
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