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【飲食店事例】業態ブラッシュアップで売上136%!15万人地方都市住宅地立地の食事業態改善事例

今回は、地方の都市の住宅立地にある食事業態の業態ブラッシュアップの事例についてご紹介します。このお店は、リニューアル前と比較して売上が平均136%になり、店外売上も入れると売上が200%を達成しました。

お店について詳しく説明しますと、炭火焼きの牛・豚・鶏のステーキが主力商品の食堂スタイルのお店です。

人口15万人前後の地方都市の住宅街に位置し、大通りから2〜3ブロック奥まった場所にあります。席数は約30席。リニューアル前の客単価は1000円前後。リニューアル後は客単価が1300円くらいになりました。

主な顧客層は車で来店する会社員や近隣の住民で、自転車でも来店するお客様がいます。

お店の課題と要望

お店の一番の課題は、売上アップと利益アップでした。いろいろヒアリングを行い、その時の課題とお店の要望をまとめると、次の3つになりました。

目的 売上アップ・利益アップ
お店の課題と要望

1.看板商品が分かりにくく、他店との明確な差別化ができていない。

2.アルコールの売上を伸ばしたい。

3.持ち帰りの売上を増やしたい。

リニューアル方針と具体的な対策

今回のお店の私のコンサルティング方針は「お客様に分かりやすい業態にする」ことを掲げました。そして、次の具体的な対策を行いました。

1.持ち帰りに適した看板商品の開発

店内の売上アップと持ち帰りの売上アップの両方を目指して、新たな看板商品を開発しました。それが「丸鶏の素揚げ」です。このお店のルーツは、丸鶏の素揚げの実演販売から始まりました。

しかし、飲食店を初めてから、オペレーションの問題で、この創業時の商品はメニューから消えていました。このリニューアルを機に、原点に立ち返り、持ち帰りにも適した「丸鶏の素揚げ」を復活させました。インパクトとストーリー性のある商品で、お客様に強くアピールすることができました。

2.業態とコンセプトが伝わりやすい店名とショルダーネームの変更

リニューアル前のショルダーネームと店名は「炭焼食堂 佐藤」(仮)でした。この名前をこんな感じに変更しました。「丸鶏・ステーキ 佐藤食堂」(仮)。

この変更により、何を提供する店かが明確に伝わるようにしました。ショルダーネームとは、お店のコンセプトを一言で表す言葉です。お客様は店名ではなくショルダーネームを見て入店するため、このネーミングの変更は集客に直接影響しました。

3.集客できるファサードへの最低限の改善

リニューアルの予算に制約があったため、最低限のファサード改善を行いました。具体的には、遠くから見える看板の変更、店舗前のタペストリーの設置です。タペストリは、昼と夜で掛け替えできるようにランチ用とディナー用の2種類制作しました。

ランチ用のタペストリは、足を止めて見ることを目的として、ランチメニューの情報量を多く掲載、ディナー用のタペストリーは、少し遠くから見てもわかるように情報量を絞り込み、業態認知と看板商品がわかるデザインにしました。

4.メニューブックのリニューアル

メニューブックをリニューアルしました。新しいメニューブックでは、店のコンセプトと看板商品をしっかりと伝えることを目指しました。また、アルコールが飲めること、お持ち帰りのお弁当があることも明確に伝えました。

5.アルコール売上の対策

食事業態でのアルコール売上向上は、経験上かなり難しい課題ですが、今回は、宴会コースをしっかり作り込み、某新年会の予約獲得によるアルコール売上の向上、メニュー内でのアルコールの訴求を強化しました。

6.お持ち帰りの告知強化

お持ち帰り商品の告知強化を図るため、ショップリーフレットを制作しました。ショップリーフレットでは、お持ち帰りだけでなく、コンセプトやメニュー、こだわりなどお店全体の案内を載せましたが、このショップリーフレットにより、お弁当や惣菜等のお持ち帰り予約注文の電話をするお客様が増加し、その流れで、近隣のスーパーへの焼鳥や丸鶏の卸売りも開始できました。

リニューアルの結果と分析

リニューアル後の結果ですが、最初にお話した通り、店内売上は平均136%に上がりし、持ち帰り売上を含めると200%達成しました。詳しくお話すると、リニューアルから3ヶ月間は、リニューアル景気で新規顧客が殺到。その後、一時的に売上が落ち着いたものの、1年後に売上が、平均して36%増で安定しました。

この結果を出せた一番の要因は、お客様にわかりやすいお店になったことです。売上がイマイチなお店の多くは、「わかりにくい」ことが原因です。何屋さんかわかりにくい、お客様がお店に来る理由がわかりにくい、他店との差別化がわかりにくい、そもそもお店の外観がわかりにくい、などいろいろなわかりにくいがあります。

今回の事例では、看板商品をわかりやすくし、どんな食堂かをわかりやすくし、外観とショップリーフレット等のツールでこれらをわかりやすく伝え、メニューブックによって初めてのお客様が何を注文すればよいか、そして、価格をわかりやすくしています。

もしあなたのお店がお客様にとってわかりにくい部分があるようでしたら、今回の事例を参考にして、わかりやすくしてみてはいかがでしょうか?わかりやすい店になればなるほど、売上は上がりやすくなりますよ。

また、本事例は、飲食店繁盛会の会員限定サイトにて、より具体的に実例で解説しています。興味がございましたら、下記をご覧ください。

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投稿者プロフィール

笠岡はじめ
笠岡はじめ飲食店コンサルタント/販売促進士
飲食とITの専門家。1,000件以上の飲食店コンサルティング実績から再現性のあるノウハウを体系化し、全国の飲食店の売上と利益を上げている。また、中国や台湾、UAE等の飲食店のコンサルティングやプロジェクトを手掛けている。著書に「MSP繁盛プログラム〜どの飲食店でも最短で確実に売り上げを上げる方法」(販売促進士日本フードアドバイザー協会ブックス)、「売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP社)、「繁盛飲食店にする1分間セミナー」 (同文館出版)等。「売れまくるメニューブックの作り方」は、台湾と中国でも出版されている。一般社団法人販売促進士日本フードアドバイザー協会代表理事。株式会社 飲食店繁盛会代表取締役。三商餐飲顧問股份有限公司董事。

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