生涯投資家。村上ファンドで有名な村上さんの最初で最後の本。合間合間にちょっとずつ読んで、1ヶ月位かかって読了。
普通のビジネス本なら2時間程度で読めるのだが、これは読み応えがあった。
エピソードとしては、東京スタイル、日本放送とフジテレビ、阪神タイガース上場プラン、光通信、クレイフィッシュ、楽天、ライブドア・・・と、ビジネスの世界で生きていなくても、身近な会社が多い。
ここに書いてある、投資した会社とのやりとりや、駆け引きひとつひとつが、そのうちドラマや映画になりそうなことばかりだ。そんなこともあり、とても面白かった。
この本を読むと、村上さんが真剣に会社のこと、日本のこと、世の中のことを考えて投資をしていたことがわかる。特にコーポレート・ガバナンスの大切さがわかる。ただ、そこに出てくる経営者の気持ちもわかることも多い。保身で動く経営者や経営幹部(主にサラリーマン経営者)も多いが。
しかし、コトが大きくなればなるほど、そして、いろんな人が関われば関わるほど、自分の理想通りにはならないということがわかる。実際、この本での村上さんの投資案件が、投資し始めた時の理想の状態になったというのは、ほぼ皆無だ。
村上さんは、目的のためには、人の感情よりも合理的・論理的に進める方の人だと思うので、きっと一緒に仕事したら嫌いになると思う。プライベートでは面白そうだが。
でも、そんな村上さんでも、最後は、インサイダー取引で逮捕され、退場となる。その内幕も書いてある。それが、良いか悪いか別として、世の中はそういうことだと思う。特に政治の世界は。
株式会社飲食店繁盛会
代表取締役 笠岡はじめ
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