お客様の「ベネフィット」を考える

こんにちは。コンサルタントの河上です。

「ベネフィット」という言葉を聞いたことがありますか?

言葉としては、「便益」「利益」「恩恵」などを意味します。

マーケティング用語としては、「お客様が商品から得ることのできる良い効果」のことを意味します。

飲食店は「料理」や「接客」などを商品・サービスとして売っています。しかし、お客様が真に求めているものは、その先にある「楽しい気持ち」や「充実した気持ち」といった「効果」だったりします。

つまり、お客様はこの「ベネフィット」を得るためにお金を払っているのです。

では、この「ベネフィット」について、もう少しだけ掘り下げてみます。

アメリカの経済学者でありマーケティング理論家のデイビット・A・アーカー氏によると、「ベネフィット」には以下の3種類があると言われます。

  • 機能的ベネフィット
  • 情緒的ベネフィット
  • 自己表現ベネフィット

元々は企業のブランド戦略に使われる分類ですが、一般の商品・サービスにも適用できます。それぞれを簡単にご説明します。

機能的ベネフィット
商品・サービスが持つ特徴によってもたらされる「基本的な価値」です。
飲食店で言えば、「美味しい」「お腹が満たされる」「涼しくなる」などです。

情緒的ベネフィット
商品・サービスを利用することで得られる「プラスの感情」です。
飲食店で言えば、お店を利用することで得られる「楽しい気持ち」「充実感」「安心感」「高級感」などです。

自己表現ベネフィット
商品・サービスを利用することで可能になる「自己表現」や「自己実現」です。
飲食店で言えば、お店を利用することで「自分らしくいられる」「理想の自分になれる」などです。

この3つは言わば、「お客様が飲食店に求めているもの」です。

以前に私がコンサルティングを担当した京都のおでん居酒屋は、閑静な住宅地のど真ん中にあるお店でした。大阪の繁華街で腕を磨いたオーナーが、約2年前に念願叶って開業されました。

開業当初は、大阪時代と同様に、美味しい「おでん」や「土手焼き」をお酒のアテに提供すれば、自ずと繁盛すると思っておられました。

しかし、半年を経過しても繁盛の兆しが見えて来ないということで、ご依頼を頂きました。

ヒアリングを重ねると、既存客や見込みのあるお客様が求めているベネフィットは「居場所」であることが分かりました。

その住宅街におけるターゲットとなる中年の男女やご年配の方々が求めていたのは、美味しいお酒とアテだけではなく、「楽しい居場所」や「いつでも来られる安心感のある居場所」だったのです。

そこで、このベネフィットがお客様に伝わるように、店の外観、内観、メニュー、接客をオーナーと一緒に変えました。そして、「居場所」を常に提供できるように顧客管理を徹底し、継続したところ、売上を伸ばすことに成功し、その後も安定しています。

このように、「ターゲットとするお客様のベネフィットは何か?」を考え抜いた先に、皆さんが求めるヒントがあるかもしれません。

特に、商品・サービスが持つ価値(機能的ベネフィット)を超えたベネフィットを見つけ出し、お客様に提案することが重要です。

株式会社飲食店繁盛会
コンサルタント 河上 朗